キラリと光る女性紹介

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内田 ユミさん(認知症の理解促進に取り組む)

プロフィール

社会福祉法人むべの里光栄グループホーム藤山の管理者。

認知症の人に寄り添いつつ、一人ひとりの人生を大切にしながら幸福追求を目指すとともに、認知症の正しい理解の促進に尽力。

家族構成 夫、長女(8歳)、長男(5歳)、柴犬(9歳) 

関連リンク 社会福祉法人 むべの里光栄グループ

〈内田さん〉

自分が受けた「ぬくもり」を他の人にも繋いでいきたい

〈グループホームでのスタッフ研修〉

約5年間の病院勤務を経て、2001年に現在の仕事に就きました。

私が介護の仕事を選んだのは、幼少の頃から母が病気で入退院を繰り返していた経験が大きいです。家族だけではどうにもならない状況で医療や介護スタッフの方々に支えられて乗り越えられたと思っています。母が入院中には、面会の度に介護スタッフの方が優しく声を掛けてくれ、言葉一つで心が救われたのを良く覚えています。私は沢山の人の優しさに助けられてきたので、自分が出来る事で人の役に立つのであれば助けになりたいと思っています。

また、当法人の理念にも共感しており、利用者一人ひとりの「私らしさ」を大切に出来る支援を目指しています。私が働いているグループホームの利用者は、認知症の高齢者ということもあり職員の関わり次第ですぐに心身に変化が出てしまうので、常にどうすれば状態が良くなるかを考えています。職員同士の気付きをヒントに、利用者が笑顔で元気になる事を考える仕事はまるで「宝探し」です。そのポイントは、一見マイナスに見えることをプラスに変換して見てみる事かもしれません。色んなところにお宝が隠れています(笑)。

自分自身を知り価値観を理解しておくことがとても大切

介護の仕事は、利用者の人生をあるがまま受け止めることからスタートします。その時に、職員の価値観で利用者の人生を評価することがないように、自分自身を知っておくことはとても大切だと思っています。認知症のケアは、完成図を想像しながら落としてまったパズルのピースを再び埋めていくような感覚があります。利用者一人ひとりに必要なピースが違うように、私には見つけられなかったピースを他の職員が見つけてくれることもあり共に働く仲間の存在は本当に大きいです。

介護現場で働く職員は、肉体労働だけでなく感情労働の部分も大きいです。職場や同僚、利用者、利用者のご家族等…様々な人の想いに板挟みになることもありますが、だからこそ自分の想いは自分自身で大切に守っていこうと思えます。そして、感情を働かせる仕事だからこそ“楽しい・嬉しい”という「喜び」を実感出来るやりがいのある仕事だと思います。それが仲間同士で分かち合える時の感動は更に大きく、働くためのモチベーションに繋がっています。

〈同僚と会議〉

忘れてしまっても“想いや願い”を繋いでいきたい

〈認知症カフェ「オレンジカフェむべの樹」〉

社会的にも認知症の人が増えていますが「認知症であることを周囲に知られたくない」と言われる現状も目の当たりにします。理解のない言葉や態度を向けられた認知症当事者やそのご家族の中には地域に出ることにストレスを感じたり、孤立感を感じる方もおられるようです。認知症があってもなくても安心して生活出来るような社会になる事を願っています。

そんな想いから、当グループホームでは認知症カフェ(オレンジカフェむべの樹)を運営しています。参加者の中には開催日を覚えておくことが難しい方もおられ、場所を提供するだけでなく訪問活動や交流を重ね“想いや願いを繋ぐ”大切な役割があるのだと実感しています。そして、認知症カフェから出会いの輪が広がり新たな地域活動に発展するなど職員自身も育てていただける取組だと思っています。

今後も、私達に出来る事を考えながら認知症の正しい理解の普及に努めたいと思っています。

女性のキャリアアップで女性の働きやすい環境が広がる

多様性を認め合える社会を目指す時代でもあり、性差についても男女の枠に囚われるものではないという認識が広がっているのを感じます。ある角度から見た時に、男女の特性というのはあると思いますが女性だから社会で活躍出来ないとはあまり感じた事がありません。

私の周りには強く自立した女性も多く、女性でもキャリアアップして活躍されている姿を身近でも見ています。もしも、女性のキャリアアップに不足している事があっても、自分たちの力で補い変えていけば良いという風土があります。なので、社会がどうこうではなく職場の在り方で変えられるのかなと思います。当法人の理事長も女性ですが、女性が活躍している職場は女性特有のライフイベント(結婚・出産・育児等)にも理解が得られやすいです。

私自身も仕事をしながら育児に奮闘しています。子供の行事等プライベートのスケジュールも多いですが、ある程度自分の状況を周囲にオープンに話せる関係性を築くことで理解と協力を得ながら両立する事が叶っています。女性が働きやすい職場が広がれば、キャリアの維持やブランクが軽減出来る等、人材不足の解消にも繋がるかもしれません。全ての女性が“一人の人として活躍”し共にチャレンジ出来る環境になると嬉しいです。

〈認知症の正しい理解を求めて発信活動を〉

同僚や仲間から ~内田さんはこんな人~

とても真面目で介護・福祉の仕事に理想を持って望まれていて、これと思ったら自分の信念を曲げない女性です。誰に対してもいつも笑顔で接してくれ、グループホームの利用者だけでなく地域にも目を向けて行動されているので広く信頼されているのだと思います。職員に対しても誰かが悩んでいたり、相談した時にはいつでも親身になって話を聞いてくれ優しく包み込んでくれるので、安心して仕事をすることが出来ます。(長谷 美智子さん)

(取材日 令和5年12月25日)

(情報は取材時点のものです)

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